雑誌でたまに見る「休刊」と「廃刊」の違いってなに?

ライフハック
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9月25日に月刊誌の「新潮45」が休刊になりましたね。

新潮45の休刊に関する国会議員の発言に関してはこの記事では触れませんが、ニュースやネット記事を読んでいて、新潮45側の方が休刊になって身を引いたか、と少しびっくりしました。

休刊についてはTwitterのトレンドワードにも出ていましたね。

しかし、ふと気になったことが。

休刊? 休刊っていうことは自粛の意味も込めて少し休んでまた再開するのか?廃刊ではないのか?

たまに雑誌が休刊っていう話題を聞くけど。。。

 

新潮45を読んでいるわけではないですが、「休刊」という表現が気になったので色々と調べてみました。

 

 

最近「休刊」になった雑誌

2018年、2017年あたりで休刊(予定含む)になった雑誌を調べてみると・・・・

「Tokai Walker (東海ウォーカー)」、「Zipper」、「KERA」、「Soup.」、「SAMURAI ELO」

「STREET JACK」、「月刊バーズ」、「別冊花とゆめ」、「YOU」など・・・

東海ウォーカーが休刊とは知らなかった。東海地方に住んでる自分としてはなじみがあった雑誌だけにびっくり。

ホームページ(ネット)、アプリ、SNSなんかで情報を簡単に手に入れることができるし、紙媒体は保管場所も取る、などの理由でやっぱり出版業界はなかなか厳しいよなぁ、と感じますね。

結構寂しいものです。

 

そもそも休刊と廃刊の違いってなんだ?

 

休刊と廃刊の違いはなんなのでしょうか。また、あえて使い分けをする場合もあるのでしょうか?

 

休刊とは

「休刊」とは雑誌の場合、編集制作上の障害等による一時的な理由、あるいは経営上の事情や売れ行き不振などにより、継続発行が困難になった場合の措置を指すようです。

つまり、雑誌が「ある期間刊行を休む」ことをいうのです。何らかの機会に、再び「復刊」するという可能性が残されています。

 

廃刊とは

「廃刊」とは、雑誌の発行が自発的に中止され、以後の発行もまったく予定されない場合を指します。

つまり、その雑誌が完全になくなり、二度と復活しないことを意味しています。

 

休刊の実際の意味合いは

休刊は定義上は「休む」で再び「復刊」する道も残されていますが、実際には、「休刊」として発表しても事実上の「廃刊」を意味することがほとんどです。

「休刊」か「廃刊」かは、発行社の意思表示がないと区別がつきにくいのが実状のため、現在の出版業界では「休刊」という表現がほぼ統一して用いられています。また、一部では「休(廃)刊」という表記が使われる場合もあります。

つまり、「休刊」=事実上の「廃刊」ということです(もちろん一部復刊するケースもあります)。

 

「廃刊」でなく「休刊」が使われる理由

 

事実上、「廃刊」ならばなぜあえて「休刊」という言葉を使うのでしょうか(ひと思いにスパッとはいかないのか)。

 

出版社と購読者の感情的な理由

あえて「休刊」という言葉を使う理由として、まず1つ目に感情的な問題があるようです。

休刊になってしまった雑誌等にも当然ですが、購読者、固定のファンはいます。そういった層がいるのにいきなり「廃刊」としてしまうと、ショックが大きくなって心理的なダメージが大きくなります。

そういった購読者層、発刊していた出版社側の気持ちのこともあり、徐々に消えていく「フェードアウト形式」をとっているようです。

 

「雑誌コード」という経済的な理由

雑誌には、「雑誌コード」という商品番号が誌名ごとに設定されています。

雑誌コードとは、国内で出版社が発行している雑誌を管理する為に使われている識別コードのことで、雑誌の裏表紙に5桁で表記されています。

 

「64063-42」が雑誌コード

 

ちなみに5桁の数字のうち、最初の数字が、
0・1=月刊誌(隔月、季刊等を含む)
2・3=週刊誌(隔週・月2回を含む)
4・5=コミック
6=ムック
7=ビデオ・カセット類
8=一般流通不扱い
9=予備
となっています。

 

雑誌コードは5桁しかない為、出版業界内ではほぼパンク状態になっています。さらに、実績のない雑誌は将来性・採算性の面から、新規取得が難しいのです。

雑誌が休刊すると、その雑誌の雑誌コードは共通雑誌コード管理センターで2年間保留され、その間もとの雑誌が復刊しなければ、また別の新雑誌に再び使用されることになります。

 

廃刊になったら雑誌コードを返却しなければなりませんが、「休刊」扱いにして、2年間の保留(猶予)のうちに、「復刊」またはリニューアルをするか、もしくは別の雑誌を創刊する際にその雑誌コードを再利用する、ということです。

 

通常の考えであれば経済的な考えから、いきなり「廃刊」ではなく「休刊」を選択するということは当然のことであると思います。

 

また、雑誌のタイトル(題号)は商標登録されています。商標権の有効期間は10年。存続のためには10年ごとに更新が必要となります。休刊して3年以内に1回も発行がなかった場合、商標権は消滅することになり、その時には雑誌コードも使用できなくなり、タイトルの商標権も失い、これが事実上の「廃刊」ともいえます。

 

以上が「休刊」と「廃刊」の違いです。業界の慣習上、「休刊」を使うようですが一部例外を除いて事実上の「廃刊」、ということです。

自分の場合はなじみの深かった「東海ウォーカー」なんかが休刊になってしまったと知って改めて寂しいものですが、自分自身新聞もネット購読したりしている人間なので、今後ますます紙媒体のコンテンツは縮小していくものなんでしょうね。

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