2020年は新型コロナウイルスが世界を騒がせていますね。
国内の感染者も既に1万5千人を越えており、感染者の増加数は減少経過ながらも、まだ日々感染者が増加をしています。
北海道は第2派が拡大しており、予断を許さない状況です。
政府も4月7日から5月6日まで緊急事態宣言を発令し、さらに4月16日に全国に宣言地域を拡大し、加えて5月14日でいったん判断すると言いながら、1カ月程度は緊急事態宣言を延長する旨を発表しました。
3密の回避、手洗い、うがい、消毒による自衛は当然ながら、マスクの着用などによる自分が羅患しているという前提で他の人に移さないという気持ちが大切です。
さて、消毒というとアルコールが一般的ですが、新型コロナウイルスが騒がれるようになって、名前が広まった「次亜塩素酸水」。
買物に行くと、入口に消毒液が置いてありますが、手に噴射して匂いをかぐとアルコールの匂いがしないことに気付きます。
これは次亜塩素酸水であり、アルコール消毒液の品不足により、次亜塩素酸水を使用していると思われます。
新型コロナウイルスの関係で自分も最近仕事で、次亜塩素酸水について扱うようになりました。
この記事では、次亜塩素酸水とはなにか、効果、使用用途などについて紹介しようと思います。
次亜塩素酸水とは
厚生労働省の定めによると、次亜塩素酸水とは
塩酸(いわゆる酸)又は食塩水塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を電解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液である、となっています。
電気分解での製法やpH値・有効塩素濃度は厚生労働省により細かく定められており、その違いにより強酸性・弱酸性・微酸性の次亜塩素酸水に分けられます。
また、「次亜塩素酸水」は酸性であり、厚生労働省により「食品添加物」として、認可され、安全性が検証されています。漂白剤として知られている「次亜塩素酸ナトリウム(アルカリ性)」とは異なるものです。
さらに、次亜塩素酸水は有効塩素濃度の割合、pHによって3種類に分類されます。
- 強酸性次亜塩素酸水
水溶液中に含まれる有効塩素濃度は、20~60ppm(0.002%~0.006%)でPH2.7以下のものです。 - 弱酸性次亜塩素酸水
有効塩素濃度が10~60ppm(0.001%~0.006%)、PH2.7~5.0となります。 - 微酸性次亜塩素酸水
有効塩素濃度 10~80ppm(0.001%~0.008%)でPH5.0~6.5の範囲の水溶液です。
この中でも微酸性の次亜塩素酸水が最も安全で殺菌効果も高い事が厚生労働省により検証されています。
PH7.0が中性(酸性とアルカリ性の中間)ですが、最も中性に近い、微酸性次亜塩素酸水が最も殺菌効果が高いというのは面白いものです。
次亜塩素酸水の殺菌効果と食品に対する影響
厚生労働省は、上記の参考文書の中で、以下の細菌、ウイルスに対する殺菌効果の試験も行っています。
「微酸性次亜塩素酸水」57ppm(PH5.2)を使い、殺菌効果(1分以内)を確認しているとのことです。
また、高い耐性をもつ「有芽胞菌(壁をもった細菌)」(エンベロープ)に対しても50ppmの微酸性次亜塩素酸水での有効性が確認されています。
また、食品を使った安全性も検証されており、微酸性次亜塩素酸水でホウレン草を10分間浸して有効塩素濃度を測定したところ、残留塩素は検出されていません。
さらに、栄養成分の影響につても、ホウレン草葉で検証した結果、水道水で処理をした場合と比較しても総ビタミン含有量に対しての影響がないことが確認されています。
一般的なウイルスに対して効果が確認できているので、新型コロナウイルスに対して効果を発揮できる可能性が期待できるということです。
さらに、厚生労働省の資料「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性」の中に、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの抗菌・抗ウイルス活性の比較表が以下のとおり掲載されています。
こちらでは、インフルエンザウイルス、ノロウイルスに加えて、ヘルペスウイルスにも抗ウイルス活性が確認されています。
実は、新型コロナウイルスに対するアルコール、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水の感染予防効果はまだ試験による確認がされておらず、その事実も公表されていません。
ただし、ウイルス粒子にエンベロープを有しているインフルエンザウイルスには効果が優れているので、同じようなエンベロープを有しているコロナウイルスにも効果があることが考えられます。
次亜塩素酸水の手指の消毒について
次亜塩素酸水の手指の消毒については、
政府の4月10日の答弁書において「次亜塩素酸水については、現時点においては、手指の消毒に活用することについての有効性が確認されていない。」とし、手洗いを励行しています。
■毎日新聞「次亜塩素酸水 手指消毒の有効性は「未確認」 政府答弁書」(2020年4月10日)
しかし、福井新聞に以下のとおり記事が掲載されていました。
「経済産業省は17日、アルコール消毒液に代わる新型コロナウイルスの消毒方法に絡み、塩酸や食塩水を電気分解した「次亜塩素酸水」は手指には適用外としていた判断を修正し、一部商品では適用されているものがあるとの見解を公表した。」
「15日に経産省が開いた有識者による検討委員会で、委員側から一般に流通し、手指に使われる商品があるとの指摘を受け、手指を消毒対象に追加した。」
■福井新聞「次亜塩素酸水、一部商品を手指消毒適用と修正 新型コロナウイルス消毒方法で経産省」(2020年4月18日)
次亜塩素酸水の一部が新型コロナウイルスの消毒方法として手指消毒適用と修正されたとのことです。
【まとめ】次亜塩素酸水の新型コロナウイルスの効果について
新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の効果については、現段階では直接的な化学試験が行われておらず、また事実の公表もされていないので、確認のしようがありません。
しかし、それについては、他の対策、予防用品に関しても同様にいえることです。
厚生労働省は、次亜塩素酸水の他の細菌類やインフルエンザウイルス、ノロウイルス、ヘルペスウイルスといったウイルス類に対する抗ウイルス活性を発表しています。
それにより、「インフルエンザウイルスと同じようなエンベロープを有しているコロナウイルスにも効果があることが考えられる」ともいわれています。
現段階では、次亜塩素酸水は新型コロナウイルスに対し効果があると考えられている、といえます。
本日の記事は以上になります。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、1人1人がしっかりと意識をして、対策を行っていきましょう。
最後まで読んでいただいてどうもありがとうございました。
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